放課後等デイサービスで保護者への見せ方を設計する

コラム

放課後等デイサービスの開業を検討している経営者の方から、「保育士の採用がうまくいかない」「応募が来ない」という悩みを聞くことがあります。

採用に苦戦している事業所の多くに共通しているのは、「求人票を出したら応募が来るはずだ」という前提で動いているという点です。ただ、現実には、求人を出しただけでは人が集まらない時代になっています。今回は、採用がうまくいかない理由と、その構造について考えます。


求職者は「複数の事業所を比較している」

保育士や児童指導員などの求職者は、求人票を見て応募を決める際、複数の事業所を比較しています。給与、勤務条件、職場の雰囲気、事業所の考え方。これらを総合的に判断した上で、「ここに応募してみよう」と決断します。

つまり、採用の世界でも「選ばれる競争」が起きています。求人票を出すだけでなく、「なぜこの事業所で働くのか」という理由を、求職者に伝えられているかどうかが、応募率に影響します。

保護者が事業所を選ぶ時と同じように、求職者も事業所を選んでいます。この視点を持てているかどうかが、採用の結果に大きく影響します。


「給与を上げれば来る」は本当か

採用がうまくいかないとき、最初に思いつく対策が「給与を上げる」ことの方も多いと思います。確かに、給与は求職者が重視する要素の一つです。

ただ、給与だけを上げても、応募が増えないケースは少なくありません。求職者が給与以外で重視しているのは、「職場の雰囲気」「一緒に働く人」「成長できる環境」といった、お金では直接測れない部分です。

特に放デイの職員として働くことを考えている方は、「子どもに関わる仕事がしたい」「やりがいのある職場で働きたい」という動機を持っていることが多いです。この動機に響く発信ができているかどうかが、応募者の質にも影響します。


採用に苦戦する事業所が陥りやすいパターン

採用に苦戦し続ける事業所には、いくつかの共通したパターンがあります。

一つは、求人票の内容が「給与・勤務時間・応募資格」だけになっていて、「どんな事業所か」「どんな子どもたちと関わるのか」「どんな職員が働いているのか」という情報が伝わっていないケースです。求職者が「ここで働くとどうなるか」をイメージできないと、応募に踏み切れません。

もう一つは、採用活動を「開業してから考える」として後回しにしているケースです。採用には時間がかかります。求人を出してから、応募が来て、面接をして、採用が決まるまで、早くても数週間から数ヶ月かかることがあります。開業日から逆算して、採用活動をいつ始めるべきかを計算しておかないと、開所直前に人手不足のまま開所せざるを得ない状況になります。


採用における「第一印象」を設計する

求職者が事業所に初めて触れる接点は、求人票だけではありません。ホームページを見る、事業所のブログを読む、GoogleマップのレビューをチェックするAnd。これらの情報から、「この事業所はどんなところか」という印象を形成した上で、応募するかどうかを判断しています。

つまり、採用における「第一印象」も、設計することができます。求職者は、求人票だけでなく、ホームページなどから事業所の雰囲気も含めて判断しています。求人票以外の情報も、応募するかどうかの判断材料になっています。情報の少ない事業所は、それだけで候補から外れてしまうことがあります。


「採用できた」だけで終わらない視点

採用がうまくいき、職員を確保できたとしても、それで採用の問題が解決したわけではありません。入職後に早期離職されると、再び採用から始まることになります。

採用と定着は、セットで考える必要があります。採用した職員が長く働き続けられる職場環境を作ることが、採用コストを抑え、現場の安定につながります。記事㊳でも触れたように、定着率の低さは見えにくいコストとして積み上がっていきます。


まとめ:採用は「選ばれる競争」、準備が結果を変える

採用がうまくいかない理由は、人手不足という外部環境だけではなく、事業所としての「見せ方」と「準備の早さ」に起因することが多いです。採用は、準備の早さや、事業所の魅力の伝え方によって結果が変わります。求人票を出せば人が来る時代ではなくなっている、という前提を持つことが、採用を考える上での出発点になります。


放課後等デイサービスは現在、定員10名に対して日平均12.2名を超えています。
有料広告費0円のまま、行政からの指摘事項も0件で運営を続けています。

開業前に何を設計するべきか。なぜ利用者が集まるのか。なぜ職員が辞めないのか。実際の経験をもとにまとめています。

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