放課後等デイサービスで利用者が集まらない本当の理由

コラム

「利用者が集まらない」という相談を、開業した経営者の方からよく聞きます。

多くの場合、最初に出てくる対策は「広告を出す」「チラシを配る」「営業に行く」といった、外向きのアクションです。もちろんこれらも無意味ではありません。ただ、私自身の経験から言うと、利用者が集まらない本当の理由は、もっと手前にあることが多いです。


「集まらない」のは、知られていないからではない

地域によっては、放デイの数は決して少なくありません。保護者は、複数の選択肢の中から選んでいます。

つまり「知られていない」のではなく、「選ばれていない」という状態であることが多いのです。この違いに気づけるかどうかが、最初の分かれ道になります。

知られていないなら広告で解決できます。でも選ばれていないなら、広告を出しても結果は変わりません。むしろ広告費だけがかさんでいきます。


「選ばれない」事業所に共通すること

私が見てきた中で、利用者が集まらない事業所にはいくつかの共通点があります。

一つは、見学に来た保護者が「ここで良いかも」と思える瞬間が、事業所側に設計されていないことです。内装、職員の対応、説明の仕方。一つひとつは小さなことですが、保護者は見学の数十分で、ほぼ判断を終えています。

もう一つは、情報発信が「やっていることの報告」になってしまっていることです。ブログやSNSで「今日は〇〇をしました」という投稿はよく見かけますが、それだけでは保護者の「ここに任せたい」という気持ちには繋がりません。


相談支援員からの紹介が来ない理由

利用者が集まる経路の一つに、相談支援員からの紹介があります。ここでも「集まらない」事業所には傾向があります。

相談支援員は、複数の事業所を保護者に提案する立場です。その中で「この事業所はどんな考え方で運営しているのか」が伝わっていない事業所は、紹介の選択肢に入りにくくなります。

開所してすぐに紹介が発生する事業所と、なかなか紹介が発生しない事業所の差は、開所前からの関係構築にあることが多いです。これは開所後に慌てて動いても、簡単には追いつきません。


「利用者が集まらない」を放置するとどうなるか

定員割れの状態が続くと、運営は徐々に苦しくなります。固定費は変わらないため、利用者数が少ないほど、1人当たりのコストは上がります。

さらに、定員割れの状態が長く続くと、現場の職員の士気にも影響します。「この事業所は大丈夫なのか」という不安が、職員にも伝わってしまうことがあります。職員の不安は、保護者にも伝わります。

利用者が集まらない → 職員が不安になる → 保護者にも伝わる → さらに利用者が集まらない。この悪循環に入ると、抜け出すのは簡単ではありません。


本当に必要なのは「選ばれる理由」の設計

利用者を集めるために必要なのは、広告の量ではありません。「なぜこの事業所が選ばれるのか」という理由を、開業前から設計しておくことです。

内装で何を伝えるか。情報発信で何を伝えるか。相談支援員にどう関係を作るか。保護者が見学に来たとき、何を感じてもらうか。これらは全て繋がっています。

私自身、開所から現在まで有料広告費0円で、定員10名に対して日平均12.2名という状態を維持できているのは、この「選ばれる理由」を開業前から設計していたことが大きいと感じています。


まとめ:集客の前に、選ばれる理由を作る

「利用者が集まらない」という問題に直面したとき、最初に手を伸ばしたくなるのは広告です。ただ、本当の問題は、選ばれる理由が設計されていないことにあるケースが多いです。

広告を出す前に、まず「なぜうちが選ばれるべきなのか」を、保護者・相談支援員・職員それぞれの視点から考えてみることが、最初の一歩になります。


福祉経験ゼロ。建築業から参入。
それでも開所後9ヶ月で黒字化。開所1年半で定員超えを実現した放デイ経営の記録。

開業前に何を設計するべきか。なぜ利用者が集まるのか。なぜ職員が辞めないのか。実際の経験をもとにまとめています。

FULL OVERを見る


FULL OVER

コメント

タイトルとURLをコピーしました