放課後等デイサービスはまだ需要があるのか

コラム

放課後等デイサービスの開業を検討するとき、「この業界にはまだ需要があるのか」という疑問は、誰もが一度は持つと思います。

結論を先に言うと、需要そのものは、まだ拡大している傾向にあります。ただ、この「需要がある」という事実を、どう受け止めるかが重要です。今回は、需要の背景と、その受け止め方について書きます。


利用者数は増加を続けている

放課後等デイサービスを利用する子どもの数は、制度が始まった当初から、年々増加してきました。発達に特性のある子どもへの支援に対する社会的な認知が広がり、相談支援員や学校からの案内を通じて、利用を検討する家庭が増えています。

また、いわゆる「グレーゾーン」と呼ばれる、診断はついていないものの特性が見られる子どもたちについても、早期からの支援を望む保護者は増えています。こうした背景から、放デイ全体の利用者数は、これからも一定の需要が見込まれる分野だと言われています。


「需要がある」と「事業所が増えている」の関係

需要が増えるのに合わせて、放デイの事業所数自体も増加してきました。これは自然な流れです。需要があるところに、事業所が増えるのは当然のことです。

ここで一つ、考えておきたいことがあります。需要が増えているのと、事業所が増えているのが、同じペースで進んでいるかどうかです。エリアによっては、需要の増加に対して事業所数が追いついていない場合もあれば、逆に事業所が密集しているエリアもあります。


「需要があるから儲かる」わけではない

需要が拡大しているという事実だけを見ると、「参入すれば利用者は自然に集まる」と考えてしまいそうになります。ただ、実際の運営を見ていくと、そう単純ではありません。

同じエリアに複数の事業所がある場合、保護者は、その中から「選ぶ」立場にあります。需要がある、つまり「放デイを利用したい家庭がいる」ことと、「その家庭が、あなたの事業所を選ぶ」ことの間には、もう一段階のプロセスがあります。

需要の拡大は、新規参入のチャンスである一方で、競争の場でもあります。


定員割れの事業所が存在する理由

需要が拡大している業界であっても、定員割れの状態が続く事業所は存在します。これは、需要そのものがないわけではなく、その事業所が「選ばれていない」状態であることを示しています。

需要が増えている地域でも、保護者から選ばれる事業所と、選ばれにくい事業所に分かれる。この事実は、「需要があるかどうか」だけでは、開業後の結果を説明できないことを意味しています。


需要を「自分のものにできるか」という視点

放デイの市場全体としての需要は、当面、縮小する見込みは小さいと言われています。ただ、その需要を、自分の事業所がどう取り込んでいくかは、別の問題です。

「市場に需要がある」ことと、「自分の事業所が選ばれる」ことの間には、開業前の準備や、運営の中での積み重ねが関わってきます。需要があるという前提の上で、何を考えておくべきか。ここが、参入を検討する上での本質的な論点になります。


まとめ:需要はある。問題はその先

放課後等デイサービスの需要は、今後も一定の拡大が見込まれる分野です。これは事実として認識して良いと思います。

ただし、需要があることと、自分の事業所が選ばれることは、別の話です。同じ需要の中で、定員超えの事業所と、定員割れの事業所が、両方存在しています。この差がどこから生まれるのかを理解しておくことが、参入を検討する上で重要な視点になります。


福祉経験ゼロ。建築業から参入。
それでも開所後9ヶ月で黒字化。開所1年半で定員超えを実現した放デイ経営の記録。

開業前に何を設計するべきか。なぜ利用者が集まるのか。なぜ職員が辞めないのか。実際の経験をもとにまとめています。

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