放課後等デイサービスの運営において、「人が採用できない」「採用してもすぐ辞める」という悩みは、業種や規模を問わず、よく聞く課題です。
私自身、開業前にこの問題についてかなり考えました。今回は、採用について見えてきたことを書きます。
「採用できない」は、本当に人手不足が原因か
保育士・児童指導員などの人材は、全国的に不足していると言われています。これは事実です。ただ、「人手不足だから採用できない」という結論だけで終わらせてしまうと、できることが何もなくなってしまいます。
実際には、同じエリア、同じ条件でも、応募が集まる事業所と集まらない事業所があります。この差は、人手不足という外部環境だけでは説明できません。
採用してもすぐ辞めてしまう理由
採用できたとしても、早期離職が続く事業所もあります。これは経営者にとって、採用コストだけでなく、現場の負担としても大きな問題です。
早期離職が起きる事業所に共通するのは、「採用時に伝えていたことと、実際の現場が違う」というギャップです。このギャップは、求人媒体の見せ方や、面接での説明の仕方に原因があることが多いです。
採用の場面で「良く見せよう」とすればするほど、入社後のギャップは大きくなります。そのギャップが、早期離職につながります。
採用は「開業前」から始まっている
採用の問題は、求人を出してから考えるものだと思われがちです。ただ、実際には、開業前の設計が採用の結果に大きく影響します。
給与設計、勤務条件、職場の雰囲気、評価の仕組み。これらは開業後に変更しようとすると、既存の職員との調整が必要になり、簡単には変えられません。最初の設計が、その後の採用のしやすさを大きく左右します。
また、福祉に関する加算の中には、開業前に設計しておかないと、後から取得が難しくなるものもあります。これを知らずに開業し、後から「処遇改善のために加算を取りたい」と思っても、対応できる範囲が限られてしまうことがあります。
「採用してから考える」のリスク
採用を「開業してから考えるもの」として後回しにすると、開業直後に人手不足のまま運営をスタートすることになります。
人手不足の状態で運営が始まると、既存の職員の負担が増えます。負担が増えた職員は、疲弊し、離職につながります。一人辞めると、残った職員の負担はさらに増えます。これが繰り返されると、常に人手不足の事業所になってしまいます。
採用と離職の悪循環に入ってしまうと、現場を回すことだけで精一杯になり、保護者対応や療育の質にも影響が出てきます。
「人が集まり続ける事業所」と「集まらない事業所」の差
私が運営していて感じるのは、人が集まり続ける事業所には、「ここで働きたい」と思わせる理由が、開業前から設計されているということです。
給与の出し方、求人での伝え方、面接での見せ方。これらが、入社後の現場と一致していることが重要です。一致していれば、ギャップによる早期離職は減ります。
逆に、設計がないまま採用を始めると、求人を出す→応募が来ない、または来てもすぐ辞める→また求人を出す、というサイクルを繰り返すことになります。
まとめ:採用は開業前の設計で決まる
「採用できない」「すぐ辞める」という問題は、人手不足という外部環境だけが原因ではありません。開業前にどう設計していたかが、大きく影響します。
給与・勤務条件・加算の取得・求人での伝え方。これらを開業前から一貫して設計しておくことが、人が集まり続ける事業所を作る第一歩になります。
福祉経験ゼロ。建築業から参入。
それでも開所後9ヶ月で黒字化。開所1年半で定員超えを実現した放デイ経営の記録。
開業前に何を設計するべきか。なぜ利用者が集まるのか。なぜ職員が辞めないのか。実際の経験をもとにまとめています。
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