なぜ潰れる放課後等デイサービスが出てくるのか

コラム

放課後等デイサービスは、需要が拡大している分野だと言われています。一方で、開業後に運営が苦しくなり、数年で閉所する事業所も存在します。

需要があるはずなのに、なぜ潰れる事業所が出てくるのか。この問いについて考えてみます。


「需要がある」は「自分に需要がある」ではない

地域全体として、放デイを利用したい家庭が増えている。これは事実です。ただ、この需要は、特定の事業所に向けられたものではありません。保護者は、複数の事業所の中から、自分の子どもに合いそうな事業所を選びます。

地域に需要があっても、その需要が「自分の事業所」に向かなければ、利用者数は増えません。需要の大きさと、自分の事業所が受け取る利用者数は、別の話です。


開業時の勢いと、その後の差

新しく開業した事業所は、開業当初、一定の関心を集めることがあります。「新しい事業所ができた」という情報は、相談支援員や保護者の間で一時的に話題になることもあります。

ただ、この開業時の勢いは、長くは続きません。開業後、実際にどう運営されているか、保護者からどう評価されるかによって、その後の利用者数の推移は変わっていきます。開業時の勢いだけで運営を続けようとすると、その勢いがなくなった後に、利用者数が伸び悩むことがあります。


「特に問題はない」事業所が、なぜ潰れるのか

潰れる事業所の多くは、何か明確な問題があったわけではない、というケースが少なくありません。療育内容も、職員の対応も、特に悪いわけではない。それでも、利用者数が増えず、定員割れが続いてしまう。

これは、「悪いことをしていない」ことと、「選ばれる理由がある」ことが、別の話だからです。問題がないことは、選ばれる理由にはなりません。多くの保護者にとって、「特に問題はないが、特に選ぶ理由もない」事業所は、選択肢の中で埋もれてしまいます。


定員割れが続いた先にあること

定員割れの状態が続くと、固定費に対する収益の余裕がなくなっていきます。資金的な余裕が減ると、新しい取り組みに投資する余力もなくなります。

状況を変えるための新しい取り組みができないまま、定員割れの状態が長期化する。この状態が一定期間続くと、運営の継続が難しくなり、閉所という選択をする事業所も出てきます。


需要があるのに潰れる、という構図の本質

地域の需要が拡大していても、その需要を受け取れるかどうかは、事業所側の状態によって決まります。

「需要があるから、参入すれば大丈夫」という考え方では、この「需要を受け取る」という部分が抜け落ちてしまいます。需要は前提条件であって、結果を保証するものではありません。


まとめ:需要と、自分の事業所への需要は別物

放課後等デイサービスは、地域として需要が拡大している分野です。それでも潰れる事業所が存在するのは、地域の需要と、個別の事業所が受け取る需要が、別のものだからです。

「選ばれる理由」をどう作るか。これが、需要のある業界の中で、潰れる事業所にならないための、本質的な論点になります。


福祉経験ゼロからのスタートでしたが、開所1年半で定員10名に対して日平均12.2名を達成しました。
保護者満足・概ね満足は100%です。

開業前に何を設計するべきか。なぜ利用者が集まるのか。なぜ職員が辞めないのか。実際の経験をもとにまとめています。

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